女性農業委員インタビュー

岸本悦子さん(68) 阿南市農業委員

岸本悦子

「今着ているのは農業委員のユニフォームです。でも「農業委員」の文字を入れてしまうと普段から着れないので、のけてもらってるんですよ」と笑顔で語るのは、水稲を35アール栽培する阿南市農業委員(1期目)岸本悦子さん(68)

 岸本さんは、県の団体職員を36年間勤め、現職の間は地域活動を満足に行えないことが心残りだったという。退職後は地域に貢献したいと考え、11年の民生委員活動を経て、那賀川北岸土地改良区で初めての女性理事となった。「男性の中で、女性が1人というのは非常にプレシャーを感じています。しかし、男女で協調し、協力してこそ良い仕事が出来ます。女性の強みを活かしていきたい」と活動には意欲的だ。
 そんな岸本さんの活動で、特に注目するのは、地元農業者7名が農産物を持ち寄って「ふれあい食事会」を開催することだ。「ふれあい食事会」はもともと閉所した保育所を利用して、子育て保育を目的に活動を開始され、今年で13年目となる。会は毎月1回開催され、食事はご飯、汁物、デザートのセットで三百円と格安で、毎回40人以上もの参加者が集うほど盛況だ。
 会では食事だけでなく、季節の催し、季節の花を植える課外活動も行い、子どもの豊かな心を育てている。「子どもの笑顔を見られるだけで凄く元気をもらえるんです。元気をバネに新たな地域貢献ができれば」と今後は地元のグループで蜂蜜入りのパンケーキを作って販売する活動をしていきたいと六次産業化にも挑戦する予定だ。阿南市の花はひまわり。太陽に向かって咲くその力強さで、将来の農業を支えて頂きたい。