女性農業委員インタビュー

植田 美恵子さん(65) 徳島市農業委員

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「最近の学校給食には、野菜が大変少ないメニューが多いと聞いております。地産地消で農業者が作る美味しいものが子供の舌に記憶として残れば、その子供が大人になったときに、きっと食に興味を持つと思うんです」と語るのは、徳島市農業委員の植田美恵子さん。植田さんはサツマイモ1・2㌶と水稲30㌃を夫と娘、従業員の4人で栽培する傍らで、県の農政審議会などの委員としても活躍している。「分からないことでも勉強して、少しでも現場の声を届けたいんです」と農業に対する姿勢は前向きである。出席した会の内容は、持ち帰り、県内の女性農業経営者35名で構成するネットワーク「YOU・MEネット」で話し合うなどして情報を共有している。YOU・MEネットは、農業の振興と食育に力を入れる組織であり、徳島の農作物を紹介する「とくしま農と食かるた」の作成や、地元の幼稚園や小学校の農作業体験を実施したり、旬の野菜を教える教材を作り、食育の授業を行うなど地域の母として活動している。
「私は10年以上にわたって食育を進めてきました。しかし、ただ収穫体験をするだけでは農業の良さは伝わりません。どのような環境で作物ができるのか。その過程が伝わらなければ食育につながらないと思うのです」と語る。
 収穫体験を始めたばかりの頃、幼い子供と母親の親子連れで栽培体験を行った時のことです。 収穫はほとんど母親が熱心に行い、小さなお芋は踏みつけられてしまいました。これでは、農業の良さは伝わらない。そこで収穫体験の前に時間を取って、「お芋は傷がつくと人間と同じようにばい菌が入ります。優しくとってあげて下さい」と一言促し、作物への理解を得てもらっている。今後は、都市から人を呼んで実際に農作物を育ててもらうオーナー制を採用して農業への理解を深めて頂いたらどうかという提案を頂きました。